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Disneyの曲を歌えばスマートグラスの盗撮を防げるのか?話題の著作権ハックが通用しない理由
Ray-Ban Metaグラスで無断撮影されていると感じた際に、Disneyの楽曲を流してプラットフォームの著作権フィルターで動画を阻止するというハックが話題を呼んでいる。だがこれは、著作権というよりも同意(コンセント)をめぐる深刻な問題を浮き彫りにしている。
2026年7月下旬以降、X、TikTok、Threads、LinkedInでひとつの裏技が拡散している。スマートグラスで隠し撮りされている疑いがあるなら、Disneyの楽曲を流すか歌い始めろ、というものだ。動画が後からアップロードされても、YouTube、TikTok、Instagramの著作権検知システムが音楽を認識し、拡散する前に音声をミュート、制限、あるいは動画ごと削除するという理屈だ。
バイラル化の火付け役となったのは、2026年7月25日にユーザーの@heavensbvnnyがXに投稿したポストで、212,000件以上の「いいね」を集めた。「男性が同意なくMetaグラスで録画しているのに気づいたら、Disneyソングを流すよう女性たちに助言がなされている。Disneyの音楽のほうが女性よりも守られているからだ」。その2日後、別のユーザーであるMaryam(@hell_line0)もその世相をこう要約した。女性の安全よりも、著作権法のほうが迅速に執行されるのだ、と。
CNNは2026年8月6日、Ivana Scatolaのレポートでこの話題を取り上げた。MetaはCNNに対し、自社のAIスマートグラスには「プライバシーがあらかじめ組み込まれて」おり、同意のない撮影を極めて深刻に受け止めていると語った。フランスのマーケティング系メディアCreapillsは、この現象を皮肉な展開だと評した。自らの収益を守るために何十年もかけて知的財産の防御壁を築き上げてきたブランドが、そのシステムをプライバシーの盾として転用される事態になっているのだ。
この戦術は実在する仕組みに基づいている。YouTubeのContent IDは、権利者から提供された音声や映像とアップロードされた動画を照合し、権利者は一致した動画の収益化、追跡、またはブロックを選択する。だがMashableが指摘したように、YouTubeによれば音楽の申し立てで最も一般的に適用されるポリシーは収益化だ。多くの場合、動画はオンライン上に残ったままで、広告収入がレーベルに流れるにすぎない。一方のTikTokは、動画自体を削除するのではなく、問題のある音声をミュートする傾向がある。
しかも、回避策はいくらでもある。撮影者は音声をカットしたり、別の音源に差し替えたり、動画をトリミング編集したり、声だけを分離したりできる。それに、元ファイルはグラスやペアリングされたスマートフォンにそのまま残る。Disneyの音楽は、せいぜいアップロードの手間を増やす程度の効果しかなく、決定的な障壁にはならない。
Video: Meta on YouTube
この手口は決して目新しいものでもない。Santa AnaやBeverly Hillsなど米国の複数の警察署が、通行人や活動家に撮影された際、動画の拡散を防ぐ狙いで著作権保護された楽曲を流した前例がある。記録されたいくつかの事例では動画は削除されずに残り続けており、この手法が広く使われた場合の限界を浮き彫りにしている。
本質的な問題は同意にある。Ray-Ban Metaグラスは普通の眼鏡と見分けがつかず、録画中を示す小さな白色LEDは、被撮影者に見落とされたり誤解されたりすることが多い。これが、女性や店舗スタッフに気付かれないよう撮影された、いわゆるナンパ動画やドッキリ動画を中心とするアカウントの急増を招いている。CBS Newsは8月、プラットフォーム全体で200,000回以上再生された後に、Metaグラスで撮影された自身の動画を発見したToluwa Omitowojuの事例を報じた。「私には何も選択の余地がありませんでした」と彼女は語っている。
Metaの対応は主に事後モデレーションにとどまる。InstagramのトップであるAdam Mosseriは7月、「この手のナンパ動画の多くのように、人々を利用して嫌がらせを行う」コンテンツを削除すると述べ、Metaはフォロワー数100万人を超える一部のアカウントを停止した。しかし、モデレーションはアップロード後、すなわち動画がすでに視聴され、複製され、共有された後に行われる。
それ以降も、Metaへのプライバシー圧力は高まり続けている。5月にはテキサス州で調査が開始され、10月にはオランダの消費者団体による提訴、さらにRay-Ban Metaグラスが指示なしで勝手に録画していたという報告も浮上した。9月のConnectで、Metaはカメラ非搭載のRay-Ban Meta Audioモデルを発表するに至ったが、これはカメラこそが不信感の最大の原因であると同社が認識している証左だ。
他のブランドもまた、その不信感をマーケティングに利用している。DuckDuckGoとKnockaroundは、監視への抗議メッセージとして、カメラなし、マイクなし、AIなしの「普通の」サングラスを販売し完売させた。Disneyハックもこれと同じ文脈にある。業界が同意の問題を解決するのを待つことをやめ、不完全であっても自力で防衛策を編み出そうとする人々の姿がそこにある。
Source: Creapills ↗
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